2010年02月22日(月)
そして楽しい上野動物園をあとにし、時刻は夕方。
今夜のおかずのお刺身でも買おうと、張り切ってアメ横に行きました。
日曜日の夕方のアメ横は、ものすごい人人人人人だらけで、歩くのすら大変!
危ないので、子供は抱っこしたまま。
フーフー言いながら、やっとの思いで魚屋さんに辿り着き、そこには威勢のいい、ねじり鉢巻のオジサン。
「どうだい若奥さん!マグロ安いよー!」
「中トロ一本1,000円!」
と声をかけられた、僕たち。
見た目は、ほんのりピンクで、まさに中トロ!
しかし、あまりの安さなので、逆に「う~ん…」と悩んでいると、
「じゃー、この大トロも付けて2,000円でいいよ!持ってちゃってよー!」
と、鉢巻オジサン。
大トロが入っているパックには、8,700円の表示。
「マジかー!?夕方になるとそんなに安くなるの~!?」
と、興奮気味のボクと妻。
きわめて慎重派のうちカミさんは、
「ホントに大トロなのー!?」 「スジ入ってない!?」 と確認。
「スジなんてないよー!」 「超、おいしいよ~!」
と、満面の笑みの鉢巻オジサン。
「よし買ったー!」
と、一本1,000円の中トロと、大トロ、しめて2,000円お買い上げ!
「こりゃーいい買い物したねー!」と、2人で大喜びです!
その後、又もや子供を抱きかかえ、人人人の波をかいくぐり、車までいかなければならないのですが、中トロ様と、大トロ様のおかげで、大した苦になりません。
「今日は~、中トロとぉ~、大トロのぉ~、お刺身でしょ~ぅ!
それから~、 ・・・やっちゃう!? あの憧れの、大トロのステーキ!?やっちゃうー!?」
と、想像しながら、テンションはMAXに上がりっぱなしです。
カミさんも、「今度またゆっくり来たいねー!アメ横!」と、ニコニコのカミさん。
そして、ようやく帰路につき、はやる気持ちを抑えて安全運転
家に着き、気持ちを抑えきれないボクは、さっそくトロ様達に、到着のご挨拶をしようと、袋から出して差し上げたんです。
「トロ様、到着しましたー!我が家です! 狭い所ですが、ゆっくりとおくつろぎくださぁ~い。」
「あれ…?色が…?」
あんなにピンクピンクしていたトロ様達が、赤みをおびている…。
今思うと、アメ横で見たときは、凍っていたんです。
それで、あんな鮮やかなピンクだったんですよね。
持ち帰る間に、解凍され、真実の色に…。
中トロ様は、もはや赤身くんレベル。
大トロ様は、それでもサシが入っているので、まぁ中トロ以上かな、と。
そして、カミさんが刺身にしている間、子供とウキウキ待っていたんです。
せめて、その時のカミさんの異変に気付いていたら…。
何も言わず「ご飯だよー。」とカミさん。
ボクは心の中で
「よっしゃーキター!念願の大トロ様じゃ~い!大トロ祭りの幕開けじゃ~!ワッショイ!ワッショイ!」
…叫んでいました。
そして、平静を装い、いよいよ大トロ様にガブリッ!
その瞬間、ゴリゴリゴリ!
一瞬、想像していた歯触りと、あまりのギャップに、時が止まりました…。
そう、時が止まるとは、あのこと。
めちゃくちゃスジばってるーッ!!!
スジ!スジ!スジー!!!
スジ祭りじゃー!!!
ふとカミさんを見ると、
「だまされたね…」
と、ポツリ一言。
とても大トロと呼ぶには、ふさわしくない、いや、あまりにもバカバカしくなるくらいの、大トロと呼ばれた、マグロらしき食物。 …いや、物体。
好き嫌いのない、ボクですら、たった2切れしか、食べれなかった…。
あまりにも…、あまりにもマズくて…。
ふと脳裏をよぎるねじり鉢巻きオヤジの満面の笑み…。
悔しい…。 あまりにも、悔しい…。
何が悔しいって、あの今夜の夕ご飯に対する期待感。
それをまざまざと裏切られた、事実。
2,000円といえども悔しい。
あの胸の高鳴りを返せ…。
まさに、安物買いの銭失いとはこの事。
そして、気付いたのです!
今のこの状況は、この悔しい気持ちは…、 まさに、いつも僕らが訴えている、
「悪徳業者に騙されて、悔し涙を流す、お父さん・お母さんをなくしたい!」
のお父さんお母さん側ではないかーー!?
それを実体験しているボク。
「うぉー!!許せ~ん悪徳業者め~ッ!!」
と、世にはびこる悪徳業者を粉砕せんと更なる決意を誓い、教訓を得るという、実体験でした。
おしまい。